まずは「闇金ウシジマくん」って何?知らない人のための超速解説
こんちゃー、タツヤです。本日は息抜きがてら僕が好きな漫画のとあるエピソードの紹介です。
今日もお疲れモードで電車に揺られながら、スマホでポチポチしているそこのパパサラリーマンさん。まずは今回の主役「闇金ウシジマくん」について、サクッと説明させてください。
「闇金ウシジマくん」は真鍋昌平さんが描いた漫画で、2004年から2019年まで15年間連載された社会派ダークコメディです。主人公は闇金業者の丑嶋馨(うしじまかおる)。「金は命より重い」が口癖の、冷酷だけど妙に人間味のある闇金の社長です。
この漫画の凄いところは、現代社会の闇を容赦なく描いているところ。ギャンブル依存、貧困、いじめ、風俗、詐欺…普通なら目を逸らしたくなるような現実を、これでもかというほどリアルに描写します。
でも単なる「闇の世界の話」じゃないんです。登場人物たちの背景や心情が丁寧に描かれていて、「明日は我が身かも」って思わせる怖さがある。
特にサラリーマン編は、普通に働く人たちが主人公。派手な転落劇じゃなくて、「万力で挟まれるように、ジワジワと押し潰されていく」サラリーマンの苦悩が描かれています。
今回の主役:中堅サラリーマン小堀と最低友達・板橋の物語
さて、今回取り上げる「サラリーマンくん編」(10〜12巻)の主人公は、33歳の医療機器営業マン・小堀豊(こぼり ゆたか)。
年収650万円、妻と2人の子供を抱える、どこにでもいそうな中堅サラリーマンです。でも彼の日常は地獄そのもの。
朝は満員電車で押し潰され、
会社では上司にパワハラされ、
後輩には馬鹿にされ、
営業先では医師に理不尽な要求をされ、
家に帰れば育児ストレスで爆発寸前の妻に文句を言われる。
そんな小堀の前に現れるのが、大学時代からの友人・板橋清(いたばし きよし)。同じ医療機器会社の別営業所に勤める、一見普通のサラリーマンです。
でも、こいつがとんでもないクズなんです。
板橋は株で失敗して借金まみれ。出会いカフェや違法ギャンブル「裏スロット」にハマり、ついには闇金のカウカウファイナンス(ウシジマの会社)に手を出してしまいます。
そして友人の小堀を巻き込んで、借金返済、詐欺、犯罪…どんどん深い闇に引きずり込んでいく。
最終的に小堀は精神的に追い詰められて休職、家庭も崩壊寸前に。
小堀の優しさにつけ込む寄生虫・板橋の正体
小堀という人物はまさに「普通のサラリーマン」の代表格です。毎日満員電車に揺られて、上司にパワハラされて、後輩にナメられて、家に帰れば育児でイライラしてる嫁に文句言われて…
「あー、これ俺だわ」って思った人は意外といるんじゃないかなと。
そんな小堀のもとに現れるのが板橋。初登場シーンからもうヤバいんですよ。小堀にいきなり5万円貸してくれって言うんです。で、小堀が「3万でどう?」って気を遣って出したら、平気で受け取る。
普通の友達なら「いや、3万じゃ足りないから大丈夫」とか「じゃあ今度でいいや」とか言うでしょ?でも板橋は違う。3万でも何でも、とにかく金が欲しいんです。
そしてこの金の使い道。闇金への返済なんですよ。しかも小堀を巻き込んで、残りの2万も払わせる始末。
「おい板橋、お前友達だろ?」
もうこの時点で友達失格なんですが、ウシジマくんはここからが本番です。
出会いカフェに連れ回すクソ野郎の本性
板橋の本当にヤバいところは、自分の欲望を満たすために平気で友達を巻き込むことなんです。
小堀を出会いカフェに誘うんですよ。出会いカフェって何かって?マジックミラー越しに女性を物色して、15分間話せるシステム。要するに売春の温床です。
普通、既婚者の友達をそんなところに連れて行きます?
小堀は最初断るんですが、板橋の「ちょっと見るだけ」攻撃に負けちゃう。で、案の定、しおりって女性と知り合ってしまう。
そしてここからが板橋の真骨頂。
実はこのしおり、最初は小堀をタダ飯を食べさせてくれるヤツくらいに思っているんですが、物語の後半では板橋に10万円を貰う約束をして小堀を貶めるために一役買ってしまうんです。そして小堀の運転免許証を盗みます。なんてことしてくれるんでしょう、この野郎どもは。
小堀が酔っ払ったスキに運転免許証をパクって、それを使って信用金庫から400万円の詐欺融資を受ける連帯保証人に小堀の名前を勝手に使う。
もうね、友達の皮を被った詐欺師ですよ。
家庭にまで侵入する寄生虫の所業
でも板橋のクズっぷりはこんなもんじゃありません。
小堀の家にまで上がり込んで、奥さんの結子にいやらしい視線を送るんです。子供の創くんがいるときは良いパパの友達を演じるくせに、見てないところでは子供に対しても容赦ない。
さらに銀行員に扮したしおりからの偽電話で、結子から通帳と実印の場所まで聞き出す周到さ。
「板橋、お前もう人間じゃねぇよ」
小堀のキャッシュカードのショッピング枠ギリギリの100万円近くを使い込み、その請求が小堀のところに行く。妻・結子は夫が何に使ったのかわからない100万円の請求書を見て、ついに離婚届を突きつける。
小堀の家庭が崩壊しかけてるのに、板橋は知らんぷり。それどころか、小堀が精神的に参ってることを知ってて、さらに利用しようとするんです。
会社でも完全にお荷物扱いの板橋
ここで板橋の会社での惨状についても触れておきましょう。
もうね、会社での板橋の扱いが悲惨すぎるんです。ミスが多すぎて営業先のほとんどで出禁になり、デスクで一日中座ってるだけの状態。
同僚の送別会にも呼ばれない。みんなが楽しそうに飲み会の話をしてるのに、板橋だけハブられてる。普通なら「ちょっと可哀想かな」って思うかもしれませんが、板橋の場合は完全に自業自得。
だって考えてみてください。こいつ、電車が遅れただけで駅員にタクシー代請求するような超クレーマーですよ。レジで手間取ってる人にもイライラして悪態つく。
そんなやつと飲み会行きたいですか?
「簡単に得た金は簡単に使っちまう」の完璧すぎる実例
で、ここからが板橋のクズっぷりの真骨頂。
詐欺で得た400万円を、借金の返済と遊興費であっという間に使い切るんです。ウシジマくんが別の話で言ってた「簡単に得た金は簡単に使っちまう」って言葉の、完璧すぎる実例。
でも、これで終わりじゃない。
金策に困った板橋は、会社も退職してしまうんです。おそらく退職金も出たでしょうが、それもあっという間に消える。
そして、ここからが本当の地獄の始まり。
詐欺のバックにいた它貫(たぬき)っていうヤクザが怒り狂うんです。なぜかって?板橋のせいで、銀行内部の協力者である鱒野(ますの)から詐欺で融資を受けるルートを失ってしまったから。
它貫の怒りは当然でしょう。
せっかく築いた詐欺のネットワークを、板橋一人のせいでパーにされたんですから。
会社を辞めた板橋に降りかかる最悪のシナリオ
で、它貫は板橋を拉致して、「働いている会社を巻き込んで医療機器の取り込み詐欺をやれ」って命令するんです。
でも、板橋はもう退職済み。
これが板橋の人生で一、二を争う最悪の判断だったんじゃないでしょうか。会社にいれば、まだ取り込み詐欺で延命できたかもしれない。でも退職しちゃったから、もう使い道がない。
怒った它貫は板橋を殺そうとします。そこで丑嶋が提案するんです。
「連帯保証人の小堀を使えばいいじゃないか」
つまり、小堀に医療機器の取り込み詐欺をやらせろって話。失敗すれば、板橋はロシアのマフィアに売られて、オホーツク海の漁船で死ぬまで働かされる。
ここまで来て、やっと板橋は自分のしてきたことの重さに気づく。
遅いんだよ、板橋!
最後の最後で見せた「友情」の真価
板橋は小堀を公園に呼び出します。もう後がない状況で、小堀に「医療機器の取り込み詐欺に協力してくれ」って頼むつもりだった。
でも小堀が来てくれた。休職中でボロボロになった小堀が、それでも友達だから来てくれた。
そして小堀は言うんです。「板橋のこと許してるよ」「若い頃の君を覚えてる」って。若い頃の板橋の写真まで持参して。
ここで板橋、ようやく人間らしい感情を取り戻す。
「これ以上、小堀に迷惑をかけたくない」「これ以上、自分を嫌いになりたくない」
で、小堀に詐欺の話はせずに、丑嶋の車に乗ってロシア送りを受け入れる。
正直僕としてはさっさとロシア行けよクズ野郎とおもっていました。
ちなみに、このシーンで小堀に対してピースサインを送るのですが「板橋ピース」としてネットで有名な画像になっています。クズだけどな。
でも、やっぱり板橋はダメなやつ
でもね、これで板橋を許しちゃダメなんですよ。
だって考えてみてください。小堀がどれだけ苦しんだか。家庭は崩壊寸前に追い込まれて、精神科で薬を処方されるまでメンタルやられて。
板橋のせいで離婚届まで突きつけられた小堀が、それでも友達だからって公園まで会いに来てくれたんです。
そんな優しい友達を、今まで何度も裏切ってきたのが板橋。
最後の最後で良心を見せたからって、今までの所業が帳消しになるわけじゃない。
しかも、もし板橋が会社を辞めてなかったら?絶対に小堀じゃなくて自分の会社を使って取り込み詐欺やってたでしょ。結局、自分に選択肢がなくなったから、やっと「友情」を選んだだけなんです。
これを美談にしちゃダメ。
板橋みたいな人は周りにいますか?
読んでて思ったんですが、ここまで極端じゃないにせよ板橋みたいなやつ、職場にもいませんか?常に誰かから搾取しようとする生粋のテイカー気質の人間。僕が務めている会社だと、お金絡みはありませんが仕事の仕方が他責志向の人間はやはりいるなと。
典型的なクズの行動パターンですよね。
小堀の復活が唯一の救い
でも、この話の素晴らしいところは小堀の復活なんです。
休職中に奥さんの育児日記を読んで、自分がいかに奥さんに支えられてたかを知る。転勤先で一人で育児してる奥さんの孤独とか、夫への愛情とか。それでも仕事の忙しさやワンオペ育児で疲れ切ってお互いにすれ違ってしまったのです。
で、職場復帰した小堀に対して、パワハラしてた上司も気を遣うようになる。バカにしてた後輩も、実は小堀が陰で努力してたことを知って尊敬するようになる。
最後は家族でお花見。「コツコツ働いて家族を養えればそれでいい」っていう小堀の言葉が心に響きます。
これぞ、サラリーマンの理想の結末。
おれのために家族がいるんじゃねぇ、家族のためにおれがいるんだ(スラムダンク風)
現実の「板橋」とは距離を置け
ウシジマくんって、極端な話だから面白いけど、実は身近にもいるんですよね、板橋みたいなやつ。
・困ったときだけ連絡してくる同期 ・いつも奢られることばかり考えてる友達
・自分の失敗を他人に押し付ける同僚 ・家族や恋人を軽く扱う知人
こういう人たちとは、距離を置いた方がいい。
小堀は優しすぎたんです。友達だからって、何でも許しちゃダメ。
「情けは人のためならず」って言いますが、ダメな人を甘やかすのは、結局その人のためにもならない。板橋だって、もっと早く誰かにビシッと言われてたら、ここまでクズにならなかったかもしれない。
まとめ:板橋から学ぶ「やってはいけないこと」
長々と板橋の悪口を書いてきましたが、この話から学べることは多いんです。
【板橋がやった、絶対にやってはいけないこと】
- 友達に甘えすぎる
- 簡単に借金する
- ギャンブルにハマる
- 嘘をつく
- 人を利用する
- 責任を取らない
【小堀から学ぶべきこと】
- 家族を大切にする
- コツコツ真面目に働く
- 困ってる人を助ける優しさ
- でも、線引きは必要
- 自分を見つめ直す勇気
最後に:みんな小堀でいこう
サラリーマンくん編は読んでて全体の9割は胸糞悪くなる板橋の話ですが、ウシジマくんの中では比較的後味の良い結末を迎えます。
小堀が家族の大切さに気付いて、職場での評価も上がって、最後は家族でお花見。
これでいいんです。これが理想。
派手な成功とか、一発逆転とか、そんなのいらない。コツコツ働いて、家族を大切にして、周りから信頼される。それが一番幸せ。
板橋みたいに「簡単に得た金は簡単に使っちまう」人生じゃなくて、小堀みたいに「コツコツ働いて家族を養えればそれでいい」人生を選びましょう。
今日も一日、お疲れ様でした。
家に帰ったら、奥さんに「お疲れさま」って言ってあげてください。そして、板橋みたいなクズにだけは絶対になっちゃダメですよ笑
ウシジマくんを読んで「他人事じゃない」って思った中堅サラリーマンパパのみなさん、今日もコツコツ頑張りましょう。
板橋?あいつはダメです。最後に良いことしたからって、許しちゃダメ。
でも、小堀にはなれる。なりましょう、小堀に。
この記事を読んで「板橋みたいなやつ、うちの会社にもいるわ」って思った人は、ぜひ周りの人にもシェアしてください。みんなで板橋にならないよう、気をつけましょう。
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